スペインの小さな村。Leciñena(レシニェナ)。

スペインの小さな村に行った時の話。
スペイン男さんの住民票的な物はLeciñenaという所にある。カタカナにするとレシニェナになるみたい。Googleで検索しても日本語サイトはほぼ見つからず。すごく小さな村。人口1000人ちょっとらしい。スペイン男さんの家族のように近くの都市のサラゴサ(Zaragoza)に住んでいる人が多く、本当に住んでいる人達はかなり少ないらしい。ただほとんどの家族が週末はこの小さな村で過ごす。スペイン男さんの家族も週末はかならずレシニェナへ。私も一緒に小さな村へ。事前にスペイン男さんが教えてくれた事は、村人全員が知り合い。どんなに小さな事でも村の大ニュースになる。日本人のがこの村を訪れたことはない。道端で人に会うと必ず挨拶をする。挨拶をしないなんてありえない。ということ。なんだか緊張。。。
車で30分しないくらいで到着。途中の景色は街からだんだん黄土色系に変わっていく。何もない。農地と少しの山と砂漠の様な土地が広がっていて、その中を皆100キロ以上で飛ばして行く。サラゴサから続く道は一本で、その道が所々にポツポツと現れる小さな村を通っている。村に入ると飛ばしていた車はスピードをかなり落として村を通過するのがルールみたい。いくつか小さな村を通ってレシニェナへ。空から大地から色から何もかも乾燥している。
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濃い色の緑はどこにもない。
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道端でサボテン発見。普通に自生しているサボテンを見るのは初めて。砂漠。。。テンションが上がる。


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スペイン男さんのお父さんの畑には色々な野菜と果物。

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ワイン用のぶどう。毎年自分たちでワインを作っているらしく、今年の作り始めたばかりのワインも見せてもらった。一般家庭で作っているワインを見るのは初めてで嬉しくなる。ぶどうの色が綺麗で、よく外国人画家がぶどうの絵を描いているのに納得。

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クルミの木。クルミってこういう風に木になるのか!!と感激。

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とにかく野菜がめちゃくちゃでかくてワクワクする。そして美味しかった。野菜も果物も全部自分たちの為に作っているらしい。
その後、庭にいた猫と犬を観察。犬はお父さんが友達とうさぎ狩りに行くのに連れて行くらしい。とても役立って賢い。その時は犬用の小さな車に乗せてそれを普通の車で引っ張って行くらしい。なんだか可愛い光景。

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スペインらしく昼寝をして、夕方から村のバールへ。日本の居酒屋の様な所。道で会う人達と挨拶。スペイン男さんは久しぶりだから色々な人に話しかけられる。バールにはスペイン男さんの友達が続々と集まる。とにかく声がでかい。スペインの田舎のバールに来るのは初めてで映画を見ている気分。声のでかさと皆のはしゃぎっぷりがすごい。この村は一年に一度お祭りがあって皆それぞれのグループで出し物をする。よく分からないけど、毎年テーマを決めて長い時間をかけて皆で準備するらしい。戦車を作って兵隊の仮装をしたり、よく分からない民族になってみたり。学芸会の様な感じ。そのグループは幼い頃に年代別男女別に自然と出来上がっていく。ずっとその仲間達と一緒に過ごし成長していく。そしてそれぞれグループに自分たちで名前をつけている。今でもグループ名のついたTシャツを作ったりしてめちゃくちゃ仲が良い。グループで村に基地の様な場所を持っていて、そこで飲んだり騒いだり話し込んだりするらしい。
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これはある一つのグループの基地。

バールで大量のスペイン人達の大はしゃぎを観察。週末の当たり前の光景らしい。日本人がこんな所に来るなんて!!と驚かれた。ほとんどの人が農業をしていて村の中で結婚して生活していくらしく、日本人に会う機会なんてない。テーブルゲームのサッカーをしている人達がいてうるさい。遊んでいるというより壊しているのに近い。日本だと警察を呼ぶレベル。残念ながらこの村に警察はない。音だけ聞いていると人殺しが行われている感じがするヤバさだ。でも皆普通。楽しそうだ。こんな日本から遠く離れた土地でサングリアを飲みながら笑っているのは不思議で、そして嬉しい。

帰り道、高い建物が全くないから夜空が大きい。そして見たこともない数の星が浮かんでいた。数とか言ってられない大量の星。宇宙を見ている気分。こんなに綺麗な夜空は初めてで嬉しくてたまらない。夏の暑い時は暑すぎて眠られないから皆外に出て来て、家の前に椅子を出してそこに座り話しながら涼しくなるのを待つらしい。この星空の下。なんて素晴らしい。
小さな村から見える星空はめちゃくちゃ大きくて綺麗で、無事に村での初日を終えて一安心。