冬眠終わる。
日本に帰ってきて、あっという間に時は過ぎる。ビッグニュースといえば、ドイツで買ってきた自分用のお土産を完全に勘違いしていた事。
水に入れると変身するやつかと思い実験。スペイン男さんも水に入れるとどうなるのかと興味津々で、動画を撮ってくれ！と嬉しそう。ちなみにこれを買う時にスペイン男さんが、水に入れると変わる！と発言。
かなり長い事水に入れても変化なし。テレビ電話でスペイン男さんに様子を伝えるが、まだ待てとの事。何かがおかしいのでネットで調べて見ると、子供がこのモンスター達をスライムに入れて遊んでいる動画が出てきた。変身はしないらしい。スライムもないし残念。スペイン男さんはとても謝っていた。急いで、これをお土産として渡した姉に連絡。まだ彼女は試していなかったので被害者を出さずに済んだ。
絵を買いたり、着物の着付けを少し学んだりふらふらしているうちに完全に春になった。明日からはスペイン男さんと2週間の日本旅行。突然頭も体も動き出す。スペイン男さんは私に連絡をとるたびに私がゴロゴロしているか、パタンと倒れている事が多いためgoro goro 、patanという言葉を覚えた。
動き出した頭で、とりあえずスペイン男さんに報告。今まで冬眠していたけれど完全に起きたと伝える。文化の違いということで全てを片付けてくれることを願う。
つい最近ドイツで出会った人と日本の桜を見るのは不思議なことだ。
帰国
日本に帰ってきてまず最初に焼肉。注文する時の緊張感はゼロ。日本語を喋る嬉しさを思い知る。日本にいるだけで家にいるみたいな気分になる。
帰国の朝はバタバタ。駅までスペイン男さんが一緒に行って切符を買うのを手伝ってくれることに。彼が仕事に行かなければいけない時間は完全に過ぎている。心配していると、ボスは君が今日帰ってしまう事を知っているからたぶん大丈夫！という返事。絶対大丈夫じゃないと思う。ボスはドイツ人だし。スペインだったら大丈夫な気がするけど。日本だったらそんな理由は完全にアウトだ。。。駅までタクシーで移動中に、フランクフルト中央駅の地図を調べたか聞かれたから不思議に思う。ただ乗り換えて空港の駅まで行くだけでしょ！と思っていると彼が色々調べてくれた。君が乗り換える電車はプラットフォーム103番に来る！と言われギョっとする。103番ってなんだろう。そして地図を見せられ大きな駅だということを知る。急に緊張してきて吐き気に襲われる。でも空港まで行けばANAだし日本語でいけるでしょと安心する。スペイン男さんのおかげで乗り換えもスムーズ。調べてくれたルートで簡単に行けた。ありがとう。
空港についてとりあえず椅子に座る。朝に持たせてくれたお昼ご飯を食べる。パンと食べやすく切ってくれたチョリソー。スペイン！！チョリソーの匂いをプンプンさせながら食べた。ありがとう。チョリソーは日本に持ち帰る事が出来ない。でも体内に入れて帰る。不思議。
チェックインカウンターをウロウロ。ANAのカウンターが機能していない。まだ早いからと思いこみのんびり過ごす。時間が経っておかしい事に気づきチケットの予約控えを見ると、ルフトハンザ航空と提携している飛行機だと気づく。ルフトハンザ航空でチェックインするんだ！とようやく理解。チェックインを優しいドイツ人男性に助けられながら完了。出国審査では挨拶して、仲良く色々話してパスポートにハンコをもらい終了。行きの入国審査の時は緊張し過ぎて頭真っ白過ぎてほぼ英語が出てこなかった私。人は成長するんだな。
荷物チェックでは金属探知機に引っかかりボディーチェック。何も持ってないのに色々ピーピーなる。ブーツやアウターなんかは3ヶ月使い続けたから汚くて機械が反応しているのだろうか。ようやく解放。検査が終わった荷物をまとめていると、おじさんがニコニコしながら私のiPadを持っている。混乱。没収？？もし没収なら戦うぞ！！と気合を入れる。でもこういう時の英語が分からない。あなたのことが嫌い！っていう英語しか浮かんでこない。もうこれで戦うしかない。おじさんが何処かへ歩いて行くからついて行くと検査室で、軽くチェックして簡単に返してくれた。日本人だったら丁寧に説明してくれると思う。ニコニコしてるだけっておかしい！でもよくよく考えるとあのオヤジ私の反応を楽しんでいる感じだったからジョークだったのかも。。。こっちは必死なのにやめてほしい。。。
飛行機ではなぜかプレミアムエコノミーというエコノミーでも少し良い席になっていた。ラッキーだ。席がゆったりしていて最高。さすが体がデカイドイツ人の飛行機。行きのANAよりかなり大きく感じる。スペイン男さんは今度4月に日本に来る時は、初めてANAに乗る！と嬉しそうだったけど彼には多分椅子が小さいと思う。。。
とにかく無事に帰り、日本人の親切さに驚き、日本人の小ささに可愛らしいさを感じ、安心感に包まれている。
スノー、スノー、スノー。
日曜日にスペイン男さんと一緒にハーメルンへ行った。ハーメルンの笛吹き男の話で有名な場所。沢山の子供が突然消えたちょっと怖い話。街には笛吹き男がネズミ捕りをしたことからネズミのオブジェなんかがある。雪が降っていたから日曜日だけれど人がほとんどいない。駅から町の中心へ歩いているとお墓があった。雪が積もってあまりにも綺麗だったから少し中を歩いた。
凄く静かで綺麗で白くて嬉しい気持ちになった。ドイツには雪が本当に似合うと思う。電車から見る雪が積もったドイツの風景は最高だ。私はユニクロのヒートテックのタイツやインナーを中に着込み、そしてネックウォーマー、レッグウォーマー、毛糸の帽子、さらにマフラー、まるで雪だるまか太った小人のような感じで歩く。スペイン男さんが背が高いから本当に違う生き物になった気分だ。日本のホッカイロを背中に貼っていたから寒さを全く感じない。隣にはかなり寒そうなスペイン人。どれだけ日本のホッカイロが凄いのかについての説明をする。最近英語を喋っているのに時々英語ではない違う言語になっていたりする。カイロ イズ パフッ！ アンド ユーアー ポカポカ！！ホット、ホット！頑張って理解しようとする彼は素晴らしい。日本に帰ったら早急に英語の勉強をしなければならない。
このネズミのマークを辿って行くと町の観光がスムーズにできるらしい。でもマークが小さすぎて難しいし、石畳の石の大きさと同じで紛らわしい。さらに途中で途切れたりしていていい加減すぎる。これを辿るだけでもツッコミどころが多すぎてかなり笑える。オススメだ。
私はドイツに来てどれだけこの古い木組みの家を見たんだろうか。とにかくこういう建物で有名な場所にはかなり行った。
そしてメキシコ料理のレストランへ。初めて行ったメキシコ料理。美味しかった。最初によく見るチップスをサルサソースに付けて食べる物が出てきて、そのソースが凄く美味しかった。メキシコもスペイン語。やっぱりスペイン語を習得すべきだな。
完全に観光シーズンではないハーメルン。雪も降ってて外に出ている人はほとんどいない。でもその静かな町はとても綺麗で美しかった。
素晴らしきNintendo。
金曜日の夜はスペイン5人、ポルトガル、タンザニア、日本それぞれ1人合計8人でスペイン男さんの家で遊んだ。大人が集まった、と言うよりは遊んだ、と言う方があっていると思う。
ピザを取ろうということに。どこの店の何のピザにするのかで大騒ぎ。私以外の全員が自己主張する。スペイン語と英語が飛び交う。カオス。。何がいいのか聞いてくれたけど、皆さんがお好きなので私はいいですよ。と思う。ザ日本人。困っていると、スペイン男さんがスパイシーだよね？と聞くから頷く。彼はスパイシーが好きだ。
ピザが届いて皆んなで食べる。普通のピザの3倍くらいでとにかくデカイ。生まれて初めて見たサイズ。キッチンの床に皆んなピザを落としまくる。楽しい。ビールも飲みまくる。
それからスペイン人の一人が持って来たWii Party で遊ぶ。ゲームの中の言葉がスペイン語だしルールも分からず混乱。するとスペイン男さんが、大丈夫、皆んな分かっていないから。と言ってきた。なんじゃそりゃ。。。お題が出て絵を描くゲームで、皆んなで遊ぶため英語に切り替えたけれど私の英語のボキャブラリーがなさすぎる。スペイン男さん私のために頑張る。
そして最後にレゴで遊ぶ。レゴで遊ぶなんて何年ぶりだろうか。スペイン男さんお気に入りのゲーム。一人がカードを引いて描いてある絵の物を1分間でレゴを使って作る。そしてチームメイトがそれを当てればポイントゲット。難易度が三段階に分かれていて難しい物に挑戦して正解すればより多くのポイントゲット。スペイン人チームと多国籍プラススペイン男さんチームに分かれて対戦。1分間で作るのが大変すぎる。面白かったのは、スペイン人チームはレゴのパーツを一つ置いただけで妄想で答えを言いまくる。ただの長方形のパーツだけでバチカン市国だと叫ぶ。多国籍チームは冷静に分かった時だけ答えを言う。でも正解率が高い。さらにスペイン人チームはいつも難易度が高い物に挑戦。たまに正解。多国籍チームは簡単な物に挑戦してコツコツポイントを貯める。最後は結局スペイン人チームの勝ち。
そして夜の12時過ぎに解散。楽しく遊んで解散。いつもスペイン人達で集まって遊んでいるらしい。幸せだ。楽しい一日が終了。
3度目のBraunschweig。
ベルリンから土曜日の夜にBraunschweigに戻って来た。スペイン男さんと再会。もうこうなったら家に泊めてもらう。3ヶ月の旅の最後の1ヶ月の宿代はとんでもなく安く終わりそう。単なる旅行でドイツのBraunschweigに3回も、しかもこんなに長く滞在する人は私が初めてじゃないだろうか。旅の前はこんな事になるなんて考えていなかった。最初はイタリア中心の予定で、寒くなる前にちょろっとドイツに行くつもりが。。。でも、次に来た時にイタリアに行こうとか、スペインにも行こうとか、未来への気持ちが出てきたから良かったんだと思う。私がイタリアのPadovaにいた時に知り合いの日本人女性が、あなたはドイツに行くべきだ！そして将来ドイツ人男性でも見つけるんだろうね。っと半分本気で言っていたことが今では予言だったんじゃなかろうかと思う。スペイン男さんもずっとドイツに住んでてドイツ語ペラペラだし、ドイツ人みたいな物だ。本人が聞いたら怒るだろうけど。。スペイン大好き、ドイツ嫌いの彼。でも今は同じ仕事でも給料が何倍も違うらしい。多くのスペインの若者がスペインが好きなのにスペインを離れている。スペインで頑張っている人達も凄く苦労しているらしい。
私が来る前日に壊れたらしく応急処置。面白い。水を出すのが楽しい。凄く古いアパート。建物自体は戦争の前からあったらしい。キッチンとシャワールームがなぜかドアはあるけれどドアの上の部分は空間として繋がっている。彼のルームメイトのドイツ人がシャワーを浴びている時にスペイン男さんはキッチンから、普通に2人で話しているのは変な光景。ルームメイトの彼は、私が突然転がり込んできたのに、全く何も気にしないから大丈夫だと言ってくれた。まあそう言うしかないよね。ルームメイトの彼はいつも笑っている。多分部屋でインターネットで何か見ているんだろうけど、部屋からもフファッファッファッファーとかなり大きな笑い声が響いてくる。幸せだ。私もスペイン男さんもいつも笑ってるし、3人とも笑ってる。ハッピーハウスだ。
行きつけのギリシャ料理のレストランに連れて行ってもらった。お店の人達は凄く優しい感じ。料理も美味しくて綺麗。お肉も美味しくそして野菜が美味しい。こっちのレストランではいつも量が多すぎて残してしまう。申し訳ない。胃が小さくなったのか！？と思ったけれど多分違う。大きな体のドイツ人と同じ量を食べるなんて不可能だと思う。
結局日本に帰るまでここに居座る事になると思う。ハッピーハウス。
ギャラリーだらけ。
先週の土曜日は私を家に泊めてくれた彼女に沢山のギャラリーを案内してもらった。結局5日間も泊めてもらった。Aachenで少し話しただけなのに私の事を信用してくれて、家にまで泊めてくれた。そして色々なベルリンで頑張る日本人アーティストの情報なんかを教えてくれた。いつになるか、ドイツなのか日本なのか、他の国なのかも分からないけれどまた会う約束をした。未来が広がってゆく。
ベルリンのソールフード、カリーヴルストをご馳走になった。焼いたソーセージにケチャップとカレー粉がかかっているシンプルなもの。美味しい。
そしてさらにりんごのクレープが沢山重なってる感じの凄く美味しいやつもご馳走になった。
それからHackesche Höfeハッケシャー・ホーフへ。ホーフっていうのは複数の建物の中庭に面した部分にカフェやギャラリー、ショップが集まる複合施設らしい。写真の作品が多くあるギャラリーを見た。ショップも面白い。
それから彼女の行きつけのカフェに連れて行ってもらいカプチーノをご馳走になる。泊めてもらった上にご馳走になりまくる。家にある物もなんでも食べていいよ！って言ってくれたし彼女は女神様なのだろうか。世界一周した時に色々な優しさに出会ったから、それを恩返しではなく恩送りで他の人へ繋いでいっているんだ。と言っていた。ぜひ私も次へ繋げたい。
それからベルリンの中心でギャラリーが沢山集まっている場所へ。信じられないくらい沢山のギャラリーがあった。かなり面白い作品が沢山。何よりも素敵なのが気軽に入れる空気がある所。次々に人が入っていた。銀座のギャラリーとかはなんとなく入りづらい空気が漂っている時もあるけれどベルリンにはそんな空気はない。明らかに私なんて買う感じがないし、お金もないとすぐ分かるだろうけど全然ウェルカムな空気がある。全て見ることが出来ないほどのギャラリーがあった。しっかりした作品ではなく自分で簡単に印刷して製本して作ったようなイラスト集なんかが売っている店もあった。驚いたのは絵はなんだかんだ高い！写真は安い。明らかにかなり苦労して撮った自然の写真なんかよりさらっと描いた落書きみたいな物の方が何倍もしたりする。まあでも描いている本人に入るお金は少ないと思うけど。
楽しい楽しい一日だった。ベルリンにもう一度来て本当に良かった。スペイン男さんに出会ったのもベルリンだし、なんだかんだベルリンでは良い出会いがあった。
変態の頭の中。
先週の金曜日はダリ美術館へ行った。Dali-Die Ausstellung 
誰もが知っているダリの油絵というより、リトグラフやスケッチ、ドローイングが沢山。今までダリのそういう物はあまり見たことがなかったから面白い。普通の美術館並みの料金で少し高い気もするけれどかなり満足できる。何よりもダリの上手さとセンスの良さが凄く良く分かる。サラサラっと描いている絵も結構展示してあって、頭の中を少し覗いているような気分になる。それにしても変人であり変態だと思う。デザインセンスもかなりある。なによりもあのヒゲが一番すごいと思う。あのヒゲのシルエットを見ただけでダリだと分かる。水飴で固めていたらしい。若い時は結構かっこいい。
数々の奇行で有名だけれど、親しい友人といる時はかなりまともで常識人で繊細だったらしい。自分自身のプロデュース能力も凄かったんだろう。天才の頭の中を覗きたいならかなり面白い美術館だと思う。いつかスペインのダリ美術館にも行ってみたい。
